スーパーカミオカンデの改良にレアアースの「ガドリニウム」を混ぜる

宇宙空間から飛んできたニュートリノなどの素粒子を観測する、スーパーカミオカンデ。すごいことはすごいのだが、今後観測を目指す「反電子ニュートリノ」が地球に飛んでくる量が少ないので、その検出は極めて難しい。というかもはや運

そこで、少しでも反電子ニュートリノ素粒子を検出しやすくするように、この度改良を加えるらしい。

www.asahi.com

 

この改良でカギとなるのが、レアアースである元素番号64番の「ガドリニウム」らしい。

f:id:over30scientist:20170815212248p:plain ← この子です。

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元素周期表のダウンロードページ | よしじのものおき Yoshi-G's Storage Room

 

そもそも、反電子ニュートリノをどのように検出するのか?

記事によると、反電子ニュートリノスーパーカミオカンデの巨大水槽の陽子(水分子に含まれる陽子だろう)に衝突すると、「陽電子」と「中性子」が飛び出す。これはまぁ、ぶつけられた陽子が分裂すると思ってもらえればいい。(厳密には分裂とはいえないかもしれないが。)このとき、「陽電子」は水中でチェレンコフ光という光をわずかに発する。この光を、水槽の周りにある検出器がキャッチすることで、「反電子ニュートリノ」を検出したことになる。

この水にガドリニウムを加えると、中性子からもチェレンコフ光が発生し、検出の可能性を高めることができるらしい。

 

気になるのが、水に0.1%もガドリニウムを混ぜるらしい。結構な量だと思う。ガドリニウムの単体金属ってどんな状態なのかわからないが、水が結構濁って見えるのでは、と心配になってしまう。

スーパーカミオカンデもすごいが、もともとあった神岡鉱山も個人的にはすごいところだと思う。銅の大鉱山だったはず。日本の金属鉱山はもはや鹿児島県の菱刈鉱山(金)だけだが、昔は色々なところで金属を掘っていたのだなぁと思うと感慨深い。