JAXAの金星観測衛星「あかつき」が金星大気の謎に迫る
金星って地球の兄弟星と言われるくらい大きさも近く大気組成も古代(約40億年前)の地球に似ているが、同時に地球と似ても似つかない部分がたくさんある。
例えば、太陽系の惑星の中では逆回りをしているとか(横倒しの天王星もかなり個性的だけれど)、厚い二酸化炭素の大気に覆われて地表の温度が400℃近いとか。
その中でも、「スーパーローテーション」という金星のジェット気流は、太陽系最大級の謎のひとつに数えられているらしい。
なぜそんなにすごい謎扱いされているのか。それは、このジェット気流が金星の自転速度よりも速く回転しているから。
といっても、金星の自転周期は記事のとおり243日と遅い。太陽の周りを回る公転周期は224日なので、なんと金星の1年よりも1日の方が長いという状態だ。そんなほぼ自転が止まっているような状態の金星で、約4日で1周するジェット気流が存在するそうだ。力学的には、確かになぜそんなことになるのかわからない。
今回あかつきが探査した結果、金星の赤道付近で特に強風が吹いているという結果が出たそうだ。これが新たな謎を生んでいるらしい。
しかしまぁ、人類のわかる範囲の常識で考えると、つまり太陽からのエネルギーによる外的営力では説明がつかないのであれば、金星の内的営力、つまり火山活動だとかによるもので大気に熱エネルギーが与えられて、大気の運動に影響を与えているのではないかと推測される。今回の記事やこれまでの観察事実からすれば、それ以外に考えにくいし、それ以外の特殊な現象が起きているとも、現在の物理学では考えにくいのではないのだろうか。
記事の話題と直接関係ないけれど、リンク先真ん中あたりの北海道大学の堀之内教授が両手を中途半端に上げている写真が、なんかかわいいというか間抜けというか、見ていて微笑ましい。研究者の素の姿というか、純朴さを感じなくもない。